Anthracite 取扱説明書

内部メモを全除去、見出しリンクのアンカーを github-slugger で
スラッグ化、v5 images への Vault ルート起点参照を images/ 相対に置換、permalink を付与。

  • 内部メモを持ち込まないのは、Quartz が blockquote 行頭の wikilink を解析できず
    ビルドが落ちるため(30_Issues の該当 Issue を参照)。設計内部情報を公開物から外す意味もある。
    %%

1. はじめに

Anthracite(アンスラサイト)は、ギター用のアナログ・ファズペダルです。本書は製品版 v1.0 の取扱説明書です。

信号経路はすべてアナログ回路で構成し、オン / バイパスの切替と各種設定の切替には、機械接点を使わないアナログスイッチを採用しています。フットスイッチのほか、外部スイッチ(拡張スイッチ入力端子)または MIDI から操作できます。

本書に掲載する周波数特性と歪み特性のグラフは、v1.0 実機の測定データと、回路シミュレーション(SPICE)によるものです。各グラフの条件は 11. 特性データについて を参照してください。

同梱物

品名数量
Anthracite 本体1
取扱説明書(本書)1
出荷検査成績書(この個体の出荷時の検査記録)1

AC アダプターは付属していません。別途ご用意ください(→ 3. 電源)。

2. 安全上のご注意

異常が起きたとき

煙が出る、異臭や異音がする、本体が異常に熱いときは、すぐに電源アダプターを抜いて使用を中止してください。そのまま使い続けると、火災や故障の原因になります。修理については 14. お問い合わせ・設計データの公開 の連絡先へご連絡ください。

電源

  • 電源には、DC 9 V(推奨動作電圧 8.6 〜 10.0 V)でセンターマイナスの AC アダプターを使用してください。これ以外の電源を、本書では指定外の電源と呼びます(→ 3. 電源)。
  • 濡れた手で電源アダプターを抜き差ししないでください。

音量

  • 機器の接続、電源の投入、設定の変更は、アンプの音量を下げてから行ってください。急に大きな音が出て、耳やスピーカーを傷めるおそれがあります。
  • 大音量で長時間聴き続けないでください。

分解・改造

  • 本機を分解・改造しても構いませんが、裏蓋を開ける場合を除き、保証の対象外となります。改造の際はhttps://github.com/trope-oshw/anthraciteを参考にしてください。
  • DIP スイッチと MIDI-Learn ボタンは指で操作できます。ドライバーやピンセットなどの金属製の工具は使わないでください。通電中に操作しても構いませんが、基板上の露出部に工具や金属類を触れさせないでください。短絡による故障の原因になります。
  • 裏蓋を開ける前に、身近な金属(ドアノブなど)に触れて体の静電気を逃がしてください。基板上の部品は静電気で壊れることがあります。

設置・保管

  • 高温になる場所、湿気の多い場所、結露する場所、直射日光の当たる場所での使用・保管は避けてください。
  • 本機に水などの液体をかけないでください。
  • 幼児の手の届かない場所に保管してください。

3. 電源

項目仕様
電源DC 9 V、バレル型(外径 5.5 mm / 内径 2.1 mm)、センターマイナス(一般的なエフェクター用アダプター)
動作電圧8.4 〜 11.5 V
推奨動作電圧8.6 〜 10.0 V
消費電流約 70 mA(定格)。必ず、200 mA 以上供給できるアダプターを使用してください
電池非対応(AC アダプター専用)
  • 推奨動作電圧の範囲で、出力電圧が安定したアダプターを使ってください。
  • 本機は電源電圧を監視しています。電源電圧が約 8 V を下回るか約 12 V を上回ると、メイン LED の点滅で知らせます(→ 9. LED表示一覧)。検出する電圧には個体差がありますが、動作電圧(8.4 〜 11.5 V)の範囲内では警告は出ません。警告が出ていなくても、動作電圧の範囲外では使用しないでください。
  • 電源入力部に保護回路を内蔵していますが、指定外の電源から本機を完全に保護するものではありません。センタープラスのアダプターや、電圧の高いアダプターは接続しないでください。

4. 各部の名称

天面部

トグルスイッチはすべて 3 ポジションです。パネルの印字は各トグルとも上から順に、Bias=Skew / Offset / Center、Response=Gradual / Medium / Steep、Input=Wah / Hum / Single です(レバーを上に倒すと最上段の設定になります)。

このほか、フットスイッチ(オン / バイパス切替)とメイン LED(状態表示)があります。

筐体上部


MIDI OUT / 拡張スイッチ入力端子の機能は、筐体内部の DIP スイッチ(→ 7. DIPスイッチ設定)で切り替えます。出荷時は MIDI OUT として働く設定です。

筐体内部


裏蓋を開けると、4 連の DIP スイッチ(動作モード設定 → 7. DIPスイッチ設定)と MIDI-Learn ボタン(→ 8.3 MIDI-Learn(チャンネル・CC番号の学習))があります。

接続端子

端子仕様
入力ジャック6.35 mm フォーンジャック(モノラル)。ギターを接続
出力ジャック6.35 mm フォーンジャック(モノラル)。アンプや次段のエフェクターへ
MIDI IN3.5 mm TRS(MIDI TRS Type-A 準拠)
MIDI OUT / 拡張スイッチ入力3.5 mm TRS。動作モードにより MIDI OUT(Type-A)または外部スイッチ入力として働く。出荷時は MIDI OUT
DC 9V電源入力(外径 5.5 mm / 内径 2.1 mm、センターマイナス)

MIDI 機器との接続

MIDI 端子は 3.5 mm TRS(Type-A)です。Type-A 準拠の 3.5 mm TRS MIDI 端子を持つ機器とは、3.5 mm ステレオミニ(TRS)ケーブルで直結できます。DIN 5 ピンの MIDI 機器とは、市販の「TRS Type-A ⇄ DIN 5 ピン」変換ケーブルで接続してください。Type-B 用のケーブルは配線が逆になるため、通信できません。

回路ブロック図

flowchart TD
    IN([入力ジャック]) --> SW{切替}
    SW -- バイパス --> BUF[バッファ回路]
    SW -- エフェクトオン --> FLT["入力フィルタ<br>(Input)"]
    FLT --> AMP["ファズ増幅回路<br>(Fuzz / Bias / Response)"]
    AMP --> TONE["トーン回路<br>(Bass / Treble)"]
    TONE --> VOL["音量調整<br>(Volume)"]
    VOL --> OBUF[出力バッファ]
    BUF --> OBUF
    OBUF --> OUT([出力ジャック])

各ブロック名の括弧内は、そのブロックに作用するコントロールです。

5. 基本操作

  1. アンプの音量を下げ、ギターを入力ジャックに、アンプ(または次段のエフェクター)を出力ジャックに接続します。最後に電源アダプターを接続します。
  2. フットスイッチを踏むたびに、エフェクトオン⇄バイパスが切り替わります(踏み込んだ瞬間に切り替わります)。メイン LED がでオン、消灯でバイパスです。
  3. トグルスイッチを切り替えると、メイン LED が機能ごとの色(Bias=橙 / Response=シアン / Input=緑)で約 1 秒点灯したあと、選択位置に応じた回数だけ点滅して現在の設定を知らせます(→ 9. LED表示一覧)。バイパス中も表示されます。

Hint

電源投入直後の状態(エフェクトオン / バイパス)は DIP-SW1 で選べます。出荷時は SW1 が OFF(バイパスで起動)なので、電源を入れた直後はメイン LED が消灯しています。出荷時の DIP スイッチの位置は 7. DIPスイッチ設定 を参照してください。

6. コントロール

6.1 Volume

出力音量を調整します。音色や歪みの性格には影響しません。

6.2 Fuzz

歪みの深さ(ファズ回路の利得)を調整します。ファズ回路の小信号利得は 0% で約 39 dB、100% で約 65 dB です。上げるほど強くクリップした厚い歪みになります。

利得と同時に周波数特性の形も変わります。0% では 200 Hz 〜 3 kHz がほぼ平坦ですが、100% では 600 Hz 前後を頂点とする山型になり、中域が前に出た音色になります。


Fuzz ツマミによる小信号周波数特性の変化(ファズ回路単体の出力。Fuzz 0 / 25 / 50 / 75 / 100%。入力振幅は飽和しないよう位置ごとに変えている:0 〜 50% は 0.02 Vpp、75% は 0.005 Vpp、100% は 0.001 Vpp。Bias: Center、Response: Gradual、実測)

歪み率(THD、400 Hz、入力 約 0.1 Vpp、実測)は、Fuzz を上げるにつれて増えます。

Fuzz0%25%50%75%100%
THD24.6%26.8%33.3%40.1%44.2%


Fuzz ツマミによる歪み率(THD)の変化(ファズ回路単体の出力。入力 約 0.1 Vpp、Bias: Center、Response: Gradual、実測。高域での低下には測定帯域(20 kHz まで)の影響を含む)

高調波の内訳を見ると、Fuzz を上げたときに増えるのは 3 次から 5 次の成分です。5 次高調波(H5)は 0% の −32 dBc から 100% の −17 dBc まで上がります。2 次高調波(H2)は −17 dBc から −16 dBc で、ほとんど変わりません。3 次(H3)が最大の成分であることは変わらず、高次の成分が増えて歪みのきめが細かくなります。


Fuzz ツマミによる高調波構成(H2 〜 H5)の変化(ファズ回路単体の出力。400 Hz、入力 約 0.1 Vpp、Bias: Center、Response: Gradual、実測)

歪み方は入力の大きさでも変わります。Fuzz 50% のとき、入力 0.02 Vpp では THD 0.44% でほとんどクリップしていませんが、0.1 Vpp で約 33%、1 Vpp で約 66% に達します。そのぶん利得は 43 dB から 14 dB まで下がります。入力を大きくするほど 2 次高調波の比率が上がります。0.1 Vpp では 3 次高調波(H3)が最大ですが、0.2 Vpp で H2 が H3 を上回り、それ以上の入力では H2 が最大の成分になります。ピッキングの強さで歪みの量と質が変わるのはこのためです。


入力レベルに対する利得と歪み率(ファズ回路単体の出力。実線・左軸:利得(1 kHz)、破線・右軸:THD(400 Hz)。横軸は実入力振幅。Fuzz 50%、Bias: Center、Response: Gradual、実測)

6.3 Bass

低域のシェルビング(棚型)EQ です。0% で低域を最大約 25 dB カット、100% で最大約 13 dB ブーストします(20 Hz での値)。効きの中心(カット量・ブースト量が最大値の半分になる周波数)は約 170 〜 390 Hz で、ツマミ位置によって動きます。1 kHz より上の帯域はほとんど変化しません(1 kHz での変化は 1.5 dB 以内)。


Bass ツマミ 0 / 25 / 50 / 75 / 100% の周波数特性(トーン回路単体、Treble 50% 固定、入力 約 0.4 Vpp、実測)

6.4 Treble

高域のシェルビング EQ です。0% で高域を最大約 26 dB カット、100% で最大約 14 dB ブーストします(10 kHz での値)。効きの中心は約 700 Hz 〜 1.7 kHz で、Bass より高い位置にあります。そのため Treble は 1 kHz 付近の中域にも効きます(1 kHz で約 −14 〜 +3 dB)。100 Hz 付近の低域はほとんど変化しません(1 dB 以内)。


Treble ツマミ 0 / 25 / 50 / 75 / 100% の周波数特性(トーン回路単体、Bass 50% 固定、入力 約 0.4 Vpp、実測)

Bass・Treble とも、50%(12 時の位置)でほぼフラットです(20 Hz 〜 20 kHz で +0.32 dB 以内)。ただし効き方は 50% を中心に対称ではなく、絞る側が大きく効きます。25% では約 −6 dB、75% では約 +4 dB です(Bass は低域端、Treble は高域端での値)。

6.5 Bias(トグル)

ファズ回路のトランジスタの動作点を切り替えます。歪みの量はあまり変わらず、偶数次と奇数次の高調波の比率が変わります。レバーを上に倒すほど動作点が非対称になり、2 次高調波が増えて荒い歪みになる代わりに、利得は下がります。

ポジション名称動作点比音の傾向
-X-Skew4:1動作点は Skew よりさらに非対称だが、偶数次の歪みは Skew とほぼ同じ。音量が約 2 dB 下がり、低域が締まる。
設定方法は [[#7-dipスイッチ設定
Skew3:1非対称なクリップ。偶数次の倍音が多く、荒い歪み
Offset2:1中間的な特性。2 次高調波が 3 次高調波をやや上回る
Center1:1対称に近いクリップ。3 次高調波が主体で、利得が最も高い

動作点比は、ファズ回路の出力側トランジスタが下側に振れる余裕と、上側に振れる余裕の比です。実測値は Center 0.99 : 1、Offset 2.05 : 1、Skew 2.98 : 1、X-Skew 4.05 : 1 です。

Center → Offset → Skew の順に、2 次高調波は −16.7 → −12.7 → −9.5 dBc と約 7 dB 増え、3 次高調波は −11.8 → −15.5 → −24.4 dBc と減ります。X-Skew の 2 次高調波は −9.4 dBc で、Skew とほとんど変わりません。THD は Center 33.5% / Offset 30.5% / Skew 34.9% / X-Skew 35.0% で、4 状態の差は 5 ポイント以内です(400 Hz、Fuzz 50%、入力 約 0.1 Vpp)。


Bias ポジションごとの高調波構成(H2 〜 H5)(ファズ回路単体の出力。Center / Offset / Skew / X-Skew の 4 状態。400 Hz、Fuzz 50%、入力 約 0.1 Vpp、Response: Gradual、実測)

小信号利得は非対称側ほど低く、1 kHz で Center 約 43.5 dB、Offset 約 39.8 dB、Skew 約 37.5 dB、X-Skew 約 35.5 dB です。非対称側ほど低域も削れ、利得のピークは Center の約 680 Hz から X-Skew の約 900 Hz へ上がります。


Bias ポジションごとの小信号周波数特性(ファズ回路単体の出力。入力 約 0.01 Vpp、Fuzz 50%、Response: Gradual、実測)

6.6 Response(トグル)

ギター側のボリュームを絞ったときの、クリーンアップの追従カーブを切り替えます。

ポジション名称動作
Gradual利得高め。ボリュームを絞っても歪みが残り、緩やかにクリーンへ移行
Medium中間的な特性(標準)
Steep利得低め。ボリュームを少し絞るだけで素早くクリーンになる

Steep はファズ回路へのドライブ量を抑える設定で、ギター側のボリュームを絞らない状態でも歪みが浅くなります(THD:Gradual 65.6% → Medium 59.7% → Steep 49.3%、400 Hz、入力 1 Vpp、Fuzz 50%)。同時に低域の利得が大きく下がり(20 Hz で Gradual より約 12 dB 低い)、タイトな音色になります。


Response ポジションごとの小信号周波数特性(ファズ回路単体の出力。入力 約 0.01 Vpp、Fuzz 50%、Bias: Center、実測)


Response ポジションごとの歪み率(THD)(ファズ回路単体の出力。入力 1 Vpp、Fuzz 50%、Bias: Center、実測。○印は測定系に由来する値)

6.7 Input(トグル)

入力ジャックに接続するソースに合わせて、入力インピーダンス(入力負荷)を切り替えます。ビンテージ系ファズには、ギター側のボリュームを絞るとハイが落ちてクリーンアップするという、ピックアップとの相互作用があります。Input はこの効き具合を、接続するピックアップの種類に合わせるための切替です。

ポジション名称想定ソース
Wahワウペダルの後段に接続する場合(ワウとファズの干渉を抑える)
Humハムバッカー搭載ギター
Singleシングルコイル搭載ギター

Single ほど入力負荷が重く(低インピーダンス)、Wah ほど軽く(高インピーダンス)なります。負荷が重いポジションほど、ピックアップの共振ピークが低い周波数側に寄り、なだらかに削れます。


Input ポジションごとの入力インピーダンス(SPICE シミュレーション。1 kHz で Single 約 13 kΩ、Hum 約 24 kΩ、Wah 約 44 kΩ。v1.0 実機の測定結果と整合することを確認済み)

どのポジションも低域ではほぼ一定の値(20 Hz で Single 約 24 kΩ、Hum 約 34 kΩ、Wah 約 55 kΩ)を保ち、高域に向かって徐々に下がります。バイパス時の入力インピーダンスは、この 3 ポジションよりも大幅に高くなります(→ 6.8 バイパス時の特性)。

以下は SPICE シミュレーションによる、ピックアップを接続したときの周波数特性です。ピックアップは、シングルコイルに Fender Custom Shop Texas Special(ネック、実測値)、ハムバッカーに Gibson 57 Classic(ネック、実測値)のモデルを使い、ギター側ボリュームを 1 / 5 / 10 の 3 点で振っています(色が薄いほどボリュームを絞った状態)。ギター側トーンは全開、ケーブル容量は 650 pF(標準的な 1 芯シールドケーブル 5 m 相当)を仮定しています。


シングルコイル PU の周波数特性(Input: Single / Hum / Wah 別、ギター側ボリューム 1 / 5 / 10)(SPICE シミュレーション。ギター側トーン全開、ケーブル容量 650 pF)

Input が Single のときに最も低い周波数からハイが落ち始め、Hum、Wah の順に効き始めが高域側へ移ります。シングルコイルのギターで Input を Hum や Wah にしたままだと負荷が軽すぎて、共振ピークが高域に残り、ボリュームを絞ったときの音が軽くなりすぎることがあります。


ハムバッカー PU の周波数特性(Input: Single / Hum / Wah 別、ギター側ボリューム 1 / 5 / 10)(SPICE シミュレーション。ギター側トーン全開、ケーブル容量 650 pF)

ハムバッカーはインダクタンスが大きいぶん、共振ピークの位置自体はシングルコイルより低めです。Input ポジションによる負荷の傾向(Single、Hum、Wah の順に軽くなる)は同じです。


それぞれの想定ポジションでの比較(シングルコイル × Input: Single と、ハムバッカー × Input: Hum のオーバーレイ。ギター側ボリューム 1 / 5 / 10、トーン全開、ケーブル容量 650 pF、SPICE シミュレーション)

Input をピックアップの種類に合わせて選ぶと、シングルコイルとハムバッカーのどちらも、ほぼ同じ効き方でボリューム操作に追従するように調整しています。

6.8 バイパス時の特性

バイパス時は、Input トグルの設定に関わらず、入力フィルタを切り離した専用のバッファ経路に切り替わります。入力インピーダンスは約 1 MΩ(100 Hz 〜 1 kHz、実測)で、エフェクトオン時の 3 ポジション(数十 kΩ)より大幅に高く、接続したピックアップにほとんど負荷を掛けません。


バイパス時の入力インピーダンス(SPICE シミュレーション。100 Hz 〜 1 kHz の約 1 MΩ は実測と一致)

信号はファズ回路を通りません。利得はほぼ 0 dB(無負荷換算で約 −0.13 dB)で、低域の −3 dB 点は約 13 Hz と可聴帯域の外にあります。歪み率は 1 kHz で約 0.03%(入力 1 Vpp)です。


バイパス時の利得と歪み率(THD)(入力ジャック → 出力ジャック。入力 1 Vpp、実測。実線・左軸:利得(無負荷換算)、破線・右軸:THD)

7. DIPスイッチ設定

内部の 4 連 DIP スイッチで動作モードを設定します。DIP スイッチは指で操作できます。ドライバーやピンセットなどの金属製の工具は使わないでください。通電中に操作しても構いませんが、基板上の露出部にはできるだけ触れないでください。SW1 は電源投入時にだけ読み取るため、変更は次に電源を入れたときから有効になります。SW2 〜 SW4 の変更はすぐに反映されます。

SW出荷時OFFON
SW1OFF電源投入時:バイパス電源投入時:エフェクトオン
SW2OFFBias 標準モード
(Bias スイッチ下から Center / Offset / Skew)
Bias 拡張モード
(Bias スイッチ下から Offset / Skew / X-Skew)
SW3ON拡張スイッチモード
(MIDI OUT / 拡張スイッチ入力=拡張スイッチ入力)
MIDI モード
(MIDI OUT / 拡張スイッチ入力=MIDI OUT)
SW4OFFMIDI 受信:CH12・CC#81 固定
拡張スイッチ入力:ラッチ運用
MIDI 受信:MIDI-Learn で記憶した CH / CC を使用(出荷時の記憶値 CH6・CC#1)
拡張スイッチ入力:モメンタリ運用

出荷時は SW3 だけが ON です。電源を入れるとバイパスで起動し、MIDI OUT / 拡張スイッチ入力端子は MIDI OUT として働き、MIDI は CH12・CC#81 で受信します。外部スイッチを使うときは SW3 を OFF にしてください(→ 8.1)。

SW4 は、MIDI の受信 CH / CC 番号と、拡張スイッチ入力の運用の 2 つを同時に決めます。MIDI IN は DIP-SW3 の設定に関わらず有効なので、拡張スイッチモードのときも SW4 が MIDI の受信 CH / CC を選びます

外部スイッチを接続したまま通電中に SW3 や SW4 を切り替えたときの動作は、8.1 の注記を参照してください。

8. リモート制御

8.1 外部スイッチによる制御(拡張スイッチモード:DIP-SW3 OFF)

DIP-SW3 を OFF にすると、MIDI OUT / 拡張スイッチ入力端子が外部フットスイッチの入力になります。**出荷時は SW3 が ON(MIDI モード)なので、外部スイッチを使う前に SW3 を OFF にしてください。**3.5 mm TRS プラグの Tip または Ring と、Sleeve(GND)の間にスイッチを接続してください。端子は開放 / 短絡を検出する単純な接点入力です。

DIP-SW4運用動作
OFFラッチ運用Tip–Sleeve 間にラッチ式スイッチを接続。接点が閉じるとオン、開くとオフ(スイッチの状態に追従)
ONモメンタリ運用モメンタリスイッチ 2 個を接続。Tip 側を押すとオン、Ring 側を押すとオフ
  • モメンタリ運用は押すたびに切り替わる動作ではありません。すでにオンのときに Tip 側を押しても変化しません。
  • ラッチ運用では、電源投入時に接点が閉じていればエフェクトオンで起動します(DIP-SW1 より優先)。接点が開いている場合は DIP-SW1 の設定に従って起動します。
  • DIP-SW3 が ON(MIDI モード、出荷時の設定)のときは、端子がスイッチ入力として働かないので、外部スイッチを接続しないでください。

通電中に DIP スイッチを切り替えた直後

ラッチ式スイッチを接続したまま、通電中に DIP-SW4 を ON から OFF(ラッチ運用)に切り替えても、その時点のスイッチの状態は読み込まれません。エフェクトのオン / バイパスは切り替え前のまま保たれ、次に外部スイッチを操作したときから追従します。通電中に DIP-SW3 を切り替えた直後も、外部スイッチの状態とエフェクトの状態が一致しないことがあります。
状態を合わせるには、外部スイッチを一度操作するか、フットスイッチでオン / バイパスを合わせてください。電源を切った状態で DIP スイッチを切り替えれば、次の起動時に正しく読み込まれます。

8.2 MIDIによる制御(MIDI IN)

MIDI IN で受信した Control Change(CC)で、エフェクトを操作できます。MIDI IN は DIP-SW3 の設定(拡張スイッチモード / MIDI モード)に関わらず常に有効です。拡張スイッチモードでは外部フットスイッチ(§8.1)と MIDI の両方でオン / オフでき、後から操作した側が優先されます。受信チャンネルと CC 番号は DIP-SW4 で選びます。

DIP-SW4受信チャンネルオン / オフの CC 番号
OFF(出荷時)CH12 固定CC#81 固定
ONMIDI-Learn で記憶した CH(出荷時の記憶値 CH6)MIDI-Learn で記憶した CC(出荷時の記憶値 CC#1)

DIP-SW4 ON とエクスプレッションペダル

出荷時は、DIP-SW4 ON で使う CH / CC として CH6 / CC#1 を記憶させてあります。MIDI フットコントローラーには、エクスプレッションペダルの既定の送信先が CC#1 の機種があります。DIP-SW4 を ON にしてそのペダルを CH6 に割り当てていると、エフェクトのオン / オフがペダル位置に追従します。ペダル位置が value 63 と 64 の境をまたぐたびに、64 以上でオン、63 以下でオフに切り替わります。この場合は MIDI-Learn で別の CC を記憶させるか、ペダル側の CC 番号を変えてください。

エフェクトのオン / オフ:上記 CC の value 64 〜 127 でオン、0 〜 63 でオフ。

トグル設定の変更:以下の CC で、パネルのトグル 3 系統を遠隔で変更できます(チャンネルはオン / オフと同じ規則、CC 番号は固定)。value 0 でパネルの物理トグル位置へ戻し(復帰)、value 1 〜 127 を 4 分割して状態を選びます。

CC機能01 〜 3132 〜 6364 〜 9596 〜 127
#83Input復帰SingleHumWahAll-OFF(入力フィルタ切り離し)
#84Response復帰SteepMediumGradual(無効・変化なし)
#85Bias復帰CenterOffsetSkewX-Skew
  • value 0(復帰) は、その系統を MIDI の指定から解放し、パネルの物理トグルの位置へ戻します。MIDI で一時的に変えた設定を、パネルに触れずに元へ戻したいときに使います。
  • All-OFF は、エフェクトオン時に作用する入力フィルタを切り離す特殊設定です。入力インピーダンスがバイパス時と同じ約 1 MΩ まで上がり、通常の 3 ポジションより高域の伸びた音になります。
  • CC#83 〜 #85 でいずれかの系統を指定している間は、エフェクトオン時のメイン LED が(Bias に X-Skew を指定しているときはピンク)で点灯します。物理トグルと同じ位置を指定した場合も紫になります。
  • MIDI で指定中の状態と同じ状態を指示する CC を受信しても、LED の切替通知は出ません(同じボタンを繰り返し押しても、点滅は繰り返されません)。ただし、物理トグルに従っている系統に、トグルと同じ位置を CC で指定した場合は、MIDI による指定に切り替わるので、通知が出て LED が紫になります。
  • 物理トグルを動かすと、その系統はすぐにトグル位置の設定へ戻ります(後から操作した側が優先)。電源を入れ直した場合も、すべて物理トグルの位置に戻ります。
  • CC#85 による Bias の変更は、DIP-SW2(標準 / 拡張)の設定に関わらず表の状態になります。
  • CC 番号 #83 / #84 / #85 は固定です。MIDI-Learn でこれらの CC を記憶させないでください(→ 8.3)。

記憶された CH / CC がない場合

記憶された CH / CC がない状態で DIP-SW4 を ON にすると、MIDI によるオン / オフもトグル変更も効きません(CH12・CC#81 に戻ることはありません)。出荷時は CH6 / CC#1 を記憶させてあるので、通常この状態にはなりません。

MIDI OUT:MIDI IN で受信したメッセージを、種類を問わずそのまま送出します(MIDI Thru)。あわせて、接続確認のため Active Sensing(0xFE)を約 250 ms ごとに送出します。本機がトグル操作などの CC を自分から送信することはありません。MIDI OUT は MIDI モード(DIP-SW3 ON)でのみ動作します(拡張スイッチモードでは端子が外部スイッチ入力になるため)。出荷時は DIP-SW3 が ON なので、MIDI Thru と Active Sensing の送出は出荷時の設定のまま動作しています。MIDI IN による操作はどちらのモードでも有効です。

MIDI OUT から出た信号が、ほかの機器を経由して本機の MIDI IN に戻る接続(ループ接続)はしないでください。メッセージが循環し、正常に動作しなくなるおそれがあります。

8.3 MIDI-Learn(チャンネル・CC番号の学習)

  1. 内部の MIDI-Learn ボタンを押すと学習待機になり、メイン LED が白で点滅します。
  2. MIDI IN に CC メッセージを 1 つ送ると、そのチャンネルと CC 番号を本体に記憶し、白で約 1 秒点灯したあと 3 回点滅して完了を知らせます。記憶内容は電源を切っても保持されます。
  3. 学習待機は、ボタンを押してから 10 秒経つと自動的にキャンセルされます(待機中に MIDI を受信しても延長されません)。待機中にもう一度ボタンを押してもキャンセルできます。
  • 記憶するのは、待機中に最初に受信した CC です。チャンネルと CC 番号は問いません。学習の前に、送信元の機器から CC 以外のメッセージ(クロックなど)が出ていても学習には影響しませんが、複数の CC が流れていると意図しない CC を記憶することがあります。
  • 学習に使った CC 自体は、エフェクトのオン / オフやトグル設定の変更としては処理されません。
  • 記憶した CH / CC は DIP-SW4 が ON のときに使われます。MIDI IN は DIP-SW3 の設定に関わらず有効なので、拡張スイッチモード(DIP-SW3 OFF)でも同じです。
  • MIDI-Learn を行うと、出荷時の CH6 / CC#1 は上書きされます。

トグル設定用の CC を学習させないでください

MIDI-Learn は受信した CC を番号に関わらず記憶します。トグル設定用の CC#83 / #84 / #85 を記憶させると、DIP-SW4 が ON の間はその CC がエフェクトのオン / オフとして扱われ、対応するトグルの遠隔変更ができなくなります(CC 番号が重なった場合はオン / オフが優先されます)。学習し直すには、もう一度 MIDI-Learn ボタンを押して別の CC を送ってください。

9. LED表示一覧

表示意味
消灯バイパス
赤 点灯エフェクトオン
紫 点灯エフェクトオン(MIDI の CC#83 〜 #85 で設定を指定している間)
ピンク 点灯エフェクトオン(MIDI で Bias に X-Skew を指定している間)
橙 1 秒点灯 → 点滅Bias の切替通知(点滅回数は下表)
シアン 1 秒点灯 → 点滅Response の切替通知(同上)
緑 1 秒点灯 → 点滅Input の切替通知(同上)
白 点滅(0.5 秒周期)MIDI-Learn 学習待機
白 1 秒点灯 → 3 回点滅MIDI-Learn 記憶完了
赤 ⇔ 青 交互点滅(0.4 秒周期)電源電圧の異常(約 8 V 未満または約 12 V 超、エフェクトオン時)
暗い赤 点滅(0.4 秒周期)電源電圧の異常(同上、バイパス時)

表示が重なったときは、MIDI-Learn の学習待機、切替通知、電源電圧の異常、通常の点灯(赤 / 紫 / ピンク / 消灯)の順に優先されます。電源電圧の異常を表示している間は、紫とピンクの表示は出ません。

切替通知の点滅回数(1 秒点灯のあと、0.1 秒間隔で点滅):

回数Bias(標準)Bias(拡張)ResponseInput
1CenterCenter*SteepSingle
2OffsetOffsetMediumHum
3SkewSkewGradualWah
4X-Skew*X-Skew-All-OFF*

Bias の点滅回数は、動作点比の左側の数値(4:1 なら 4 回)と一致します。

*印はパネルのトグルでは選べず、MIDI(CC#85 / CC#83)で指定したときにだけ現れます。CC#85 による Bias の変更は DIP-SW2(標準 / 拡張)の設定に関わらず 4 つの状態すべてを選べるため、標準モードでも X-Skew、拡張モードでも Center が現れます。

10. 仕様

項目内容
形式ギター用アナログ・ファズペダル
コントロールVolume / Fuzz / Bass / Treble(ツマミ)、Bias / Response / Input(3 ポジション・トグル)
切替方式アナログスイッチによる電子式切替(機械接点なし)
バイパス方式バッファードバイパス
入力インピーダンスエフェクトオン時:約 13 〜 44 kΩ(Input ポジションにより異なる、@1 kHz)
バイパス時:約 1 MΩ
出力インピーダンス約 1 kΩ(@1 kHz)
小信号利得(ファズ回路)約 39 〜 65 dB(Fuzz 0 〜 100%)
バイパス時の特性利得 約 −0.13 dB(無負荷換算)、低域 −3 dB 点 約 13 Hz、THD 約 0.03%(1 kHz、入力 1 Vpp)
残留ノイズ約 2.1 µV 以下(−111.3 dBu 以下。バイパス時、A 特性、20 Hz 〜 20 kHz、測定系の雑音を含む)
端子入力 / 出力ジャック(6.35 mm フォーンジャック、モノラル)、MIDI IN・MIDI OUT / 拡張スイッチ入力(3.5 mm TRS、MIDI Type-A)
リモート制御外部スイッチ(ラッチ / モメンタリ)、MIDI CC(オン / オフ、トグル 3 系統)。両者は併用可
電源DC 9 V、外径 5.5 mm / 内径 2.1 mm、センターマイナス、AC アダプター専用(別売)
動作電圧8.4 〜 11.5 V
推奨動作電圧8.6 〜 10.0 V
消費電流約 70 mA(エフェクトオン時、9 V 時・実測 67 〜 74 mA、設定により変動。バイパス時は約 4 mA 少ない)
寸法W 73.5 mm × H 57.5 mm × D 128.0 mm
質量268 g
付属品取扱説明書、出荷検査成績書

11. 特性データについて

本書のグラフと数値は、Anthracite v1.0 初期ロットの 1 台(個体番号 AT-0001)を 2026 年 8 月 30 日〜 31 日に測定した結果と、回路シミュレーション(SPICE)によるものです。電源電圧の警告(§3)の個体差と、下記「個体差」の Bias 動作点比は、初期ロット 10 台の受入試験のデータです。

  • 測定方法:周波数応答解析(FRA)で測定しました。正弦波の周波数を 20 Hz 〜 20 kHz の範囲で 1 オクターブあたり 10 点ずつ変え、各周波数で利得と高調波(10 次まで)を求めています。電源は 9.0 V の直流電源から供給しました。本文の「100 Hz」「400 Hz」「1 kHz」「10 kHz」は、それぞれ最寄りの測定点である 101 Hz、386 Hz、965 Hz、9.88 kHz の値です。
  • 入力振幅:入力 0.1 Vpp 以下の条件では、実際に加わった振幅は公称値の約 0.945 倍です。本文とグラフの振幅は公称値で書いています(§6.2 の入力レベルに対する利得と歪み率の図だけは、横軸が実際の振幅です)。
  • 測定点:ファズ回路の特性(§6.2、§6.5、§6.6)は、ファズ回路単体の出力(トーン回路と Volume の手前)で測っています。トーン回路の特性(§6.3、§6.4)はトーン回路単体の出力(Volume の手前)です。いずれもペダルの出力ジャックでの値ではありません。この 2 つの測定では、Input を All-OFF(入力フィルタを切り離した状態)にし、低インピーダンスの信号源から入力しています。バイパスの特性(§6.8)は入力ジャックから出力ジャックまでを測っています。
  • 歪み特性:THD と高調波レベル(dBc=基本波に対する比)です。ファズ回路は入力の大きさで歪み率が大きく変わるため、入力振幅と周波数を各グラフと表に書いています。2 kHz より高い周波数での THD の低下には、高調波が測定帯域(20 kHz まで)の外に出る影響が含まれます。
  • SPICE シミュレーション:§6.7 と §6.8 の入力インピーダンス、およびピックアップ接続時の特性は、v1.0 と同じ入力回路のモデルで計算しています。入力インピーダンスは、実機の測定結果と整合することを確認しています。
  • 個体差:本書の特性は代表個体の実測値です。Bias の動作点比は初期ロットの全 10 台で測定し、揃っていることを確認しています。ツマミ位置に依存する特性(利得、歪み、トーン)は、ポテンショメーターの公差とツマミ位置の合わせ誤差によって、個体ごとに多少異なります。個体ごとの検査結果は、同梱の出荷検査成績書を参照してください。

12. トラブルシューティング

修理を依頼する前に、次の点を確認してください。

症状考えられる原因対処
電源を入れても動作しない(フットスイッチを踏んでも LED が点かない)アダプターがセンタープラス、電圧が高すぎる、または供給能力が足りないDC 9 V・センターマイナス・200 mA 以上のアダプターに替える。出荷時はバイパスで起動するため、電源投入直後の LED 消灯は正常
音が出ないケーブルの接続(入力と出力の逆など)、Volume が絞られている、アンプ側の設定接続とツマミ位置を確認する。LED が消灯していればバイパス、赤ならエフェクトオン
LED が赤 ⇔ 青、または暗い赤で点滅する電源電圧が約 8 V 未満または約 12 V 超推奨動作電圧(8.6 〜 10.0 V)の、出力電圧が安定したアダプターを使う
LED が紫(ピンク)のまま戻らないMIDI の CC#83 〜 #85 で設定を指定している該当するトグルを動かす、CC#83 〜 #85 に value 0 を送る、または電源を入れ直す
MIDI で操作できないケーブルを MIDI OUT / 拡張スイッチ入力端子に挿している。送信している CH / CC が DIP-SW4 の設定と合っていない。DIN 変換ケーブルが Type-B 用MIDI IN 端子に挿す。SW4 OFF なら CH12・CC#81、SW4 ON なら CH6・CC#1(または学習し直した CH / CC)で送る。Type-A 用のケーブルを使う
CC#83 〜 #85 でトグル設定が変わらないオン / オフと違うチャンネルで送っている。CC#83 〜 #85 を MIDI-Learn で記憶させたオン / オフと同じチャンネルで送る。別の CC で学習し直す(→ §8.3)
MIDI OUT から何も出ないDIP-SW3 を OFF(拡張スイッチモード)に変えている。ケーブルの向き(本機の MIDI OUT → 相手機器の MIDI IN)が違うDIP-SW3 を ON(出荷時の設定)に戻す。接続を確認する
エクスプレッションペダルを動かすと、オン / オフが切り替わるペダルの CC が、DIP-SW4 ON で使う CH6 / CC#1 と重なっているMIDI-Learn で別の CC を記憶させる、またはペダル側の CC を変える。DIP-SW4 を OFF にしても止まるが、MIDI の受信が CH12・CC#81 に変わり、外部スイッチ入力はラッチ運用になる
外部スイッチが効かないDIP-SW3 が ON(MIDI モード)。出荷時はこの設定です。DIP-SW4 の運用とスイッチの種類(ラッチ / モメンタリ)が合っていないDIP-SW3 を OFF にする。DIP-SW4 をスイッチの種類に合わせる(→ §8.1)
DIP スイッチを切り替えたあと、外部スイッチとエフェクトの状態が合わない通電中に DIP-SW3 / SW4 を切り替えた直後は、スイッチの状態を読み込まない外部スイッチを一度操作する、またはフットスイッチで合わせる(→ §8.1)
MIDI-Learn の完了表示(白の 1 秒点灯と 3 回点滅)が出ないボタンを押してから 10 秒以上経った。待機中にボタンをもう一度押した。CC 以外のメッセージを送ったボタンを押してから 10 秒以内に、CC を 1 つ送る。完了表示が出なかった場合、その場では新しい CC で動いても、電源を入れ直すと以前の設定に戻ることがあるので、もう一度学習をやり直す
同じ MIDI のボタンを押しても LED の切替通知が出ない現在と同じ状態を指示した CC には通知を出さない仕様故障ではありません
オン / バイパスの切替時に、低い「ボッ」という音が聞こえるアンプのゲインや音量を上げていて、演奏していないときに切り替えると、聞こえることがあります故障ではありません

上記で解決しない場合は、14. お問い合わせ・設計データの公開 の連絡先へご連絡ください。

13. 保証

項目内容
保証期間購入日から 6 か月
保証内容保証期間内に、本書に従った通常の使用で故障した場合は、無償で修理します
送料当方への送付(往路)はお客様のご負担、修理後の返送(復路)は当方が負担します
必要なもの購入日を証明するもの(購入履歴など)

修理を依頼するときは、先に 14. お問い合わせ・設計データの公開 のメールアドレスへご連絡ください。

保証期間内でも、次の場合は保証の対象外です。

  • 音や操作性に影響しない筐体の瑕疵(傷、汚れ、へこみ、欠け、歪み、判読できる程度のマーキングの擦れ)
  • 改造や分解による故障(DIP スイッチと MIDI-Learn ボタンを操作するための裏蓋の開閉は除きます)
  • 裏蓋を開けた際に、工具や金属類が基板に触れて生じた短絡による故障
  • 指定外の電源の使用、誤接続、落下などによる故障

14. お問い合わせ・設計データの公開

項目連絡先・URL
お問い合わせ(メール)trope.oshw@gmail.com
取扱説明書(Web 版)・測定データhttps://docs.trope-oshw.org
設計データhttps://github.com/trope-oshw/anthracite

Anthracite はオープンソースハードウェアです。回路と基板と筐体の設計データ、ファームウェアのソースコード、ドキュメントを、次のライセンスで公開しています。

対象ライセンス
ハードウェア(回路・基板・筐体)CERN-OHL-S v2
ファームウェアGPL v3
ドキュメントCC BY-SA 4.0

Trope、Anthracite、山本回路設計の名称は商標であり、上記ライセンスの対象外です。

15. 商標

記載の会社名・製品名は各社の商標または登録商標です。


Anthracite v1.0 / Designed by Trope